史料から歴史を探る
山田
伸一
教授
Yamada
Shin’ichi
修士
人文学部 人間科学科
日本の近現代史が専門です。主な対象地域は北海道ですが、周辺の地域にも関心をもっています。過去の公文書、新聞、雑誌などの文書資料と現代の人の仲立ちをするのが自分の役割だと思っています。
シーズ(研究)紹介
取り組んできた研究課題は、近現代史のなかでもいろいろですが、自分では①アイヌ民族の歴史、②人と野生生物(自然環境)の関係史、③海を介した交流史の三つの柱があると思っています。その三つが切れて独立しているのではなく、二つないし三つにまたがったり、絡み合っていることも多いです。
比較的大きな主題では、「北海道旧土人保護法」によるアイヌ民族への土地下付、明治初期のシカ猟規制やサケ漁規制とアイヌ民族の関わり、アイヌ語地名の近現代史などを研究してきました。その他、現在の江別市対雁に強制移住された樺太アイヌの歴史、北海道開拓と森林伐採との関わり、養狐業と島々へのキツネの放育、ロシア領サハリンから北海道に逃げてきた囚人などについても書いたものがあります。
実績と今後の活動予定
1996年から北海道開拓記念館(現在の北海道博物館)に勤め、北海道と周辺地域を対象とした研究活動のほか、展示会の企画などに携わってきました。2022年4月から札幌学院大学人文学部に勤務しています。北海道内をはじめ各地出身の学生に接する機会が増えたこともあり、もっといろんな地域のことを知るようにしなければ、と思っています。道内はもちろん、国内各地、世界のことも。歴史学の枠にとらわれず、自然環境についての理解を深めていきたいという思いも強くなってきました。地域や産業界、自治体に向けて
歴史を知ることは、現在や未来を、奥行きや深みをもって理解し考えることにつながります。「そんなことを知って何の役に立つの?」と思われがちな事柄を大事にして、底力を養いたい。1997年から江別市大麻に住んでいます。勤務地が所在するからというだけではなく、一市民としての立場からも、地域とのつながり合いを大事にしたいと考えています。文京台や江別市の歴史について共に学んで理解を深めていくような場をもち、魅力的な地域を創っていきたいものです。もちろん、江別市以外についても。札幌以外の地域を元気にすることが、北海道の重要な課題だと思います。
関連情報
- 教員教育研究業績
- https://researchmap.jp/yamashin