自閉スペクトラム症と地域支援

~二次的な問題への予防と介入、家族支援、多職種連携~

山本   彩 教授
YAMAMOTO   Aya
博士 (教育学)
心理学部 臨床心理学科

「世界はあらゆる頭脳を必要としている」は、自身も自閉症(現在の自閉スペクトラム症)の診断を受けた動物学者テンプル・グランディンさんの言葉です。多様な頭脳を持つ多様な人々が、地域で互いに助け合い支え合う地域づくりを目指して心理的・福祉的実践と研究を重ねてきました。そのためには保健、医療、福祉、教育、司法、労働などの垣根を超えた連携が必要不可欠です。そうした方法論についても実践と研究を重ねています。

キーワード
  • 自閉スペクトラム症
  • 家族支援
  • 社会的ひきこもり
  • 発達支援
  • 地域支援
  • 司法福祉連携

シーズ(研究)紹介

自閉スペクトラム症がある子どもを持つ親は、どのように我が子を育てたらよいか悩むことが多いと言われています。乳幼児期の地域支援ではそうした家族への支援と特性をもつ子どもへの発達支援を並行して行うことが大切です。学齢期になると教育のための支援が必要です。思春期・青年期以降は地域生活を親から自立して行うための支援とそれらがうまくいかなくなったときの回復を手伝う支援が必要となります。

以上のような個別具体の支援を行いながら、並行して地域全体が多様性を認めるよう啓発活動を行うことや、支援方法に悩む機関を側面的に支援することも大切です。これら全体の活動を支え継続性や公平性を担保するのが法律です。

個別具体の支援(ミクロ)・地域づくり(メゾ)・法律などの国全体の制度(マクロ)を循環させるとともに、研究と実践のエビデンスとネットワークでこれらの活動を支えます。

実績と今後の活動予定

2015~2019年 厚生労働省思春期精神保健研修「ひきこもり対策研修」講師
2018~2019年 厚生労働省「発達障害者地域支援推進事業実地研修家族介入バージョン」講師
2016~2019年 札幌市自立支援協議会委員
2017~2019年 北海道自立支援協議会人材育成部会委員等
2018年から A/CRA/FT ASIA事務局
2021年から 北海道臨床心理士会理事
2022年から 札幌市幼児アセスメント委員
2022年から 北海道発達支援推進協議会構成員

地域や産業界、自治体に向けて

タフな地域、タフな企業は、多様性を認めていることに特徴があります。また組織の中の一員が何らかの理由により一度退いたり失敗したりしても、回復を見守り支援する地域や企業は、地域や企業自体も一緒に成長します。そのような方法を一緒にまずはのぞいてみませんか?
関連情報
関連サイト
A/CRA/FT ASIA
教員教育研究業績
https://researchmap.jp/aya_yamamoto