現代社会におけるエイジングとケアの可能性

エイジング(老い)と向き合い、共に支え合う社会の構築をめざす

新田   雅子 准教授
Nitta   Masako
修士 (社会学)
人文学部 人間科学科

認知症への関心から、介護保険法成立と同時に研究を開始し、高齢者保健福祉政策の展開を追いつつ、老いとそれをめぐる家族や社会の変化について論考してきました。最近の研究課題は、社会学におけるライフヒストリー、社会福祉におけるフェミニスト・ソーシャルワーク、歴史学の一分野である地域女性史、これらに一貫する「生」に対する「痛覚」を高齢者福祉の方法論として位置付けることです。教育面での展開としては、ゼミにおける高齢者への聞き書きを、江別市内の自治会との交流事業として継続的に実施しています。

キーワード
  • エイジング(老い)
  • 高齢者福祉
  • ケア(介護、介助等)
  • ライフヒストリー
  • 女性史
  • 地域(コミュニティ)

シーズ(研究)紹介

エイジズム(老人差別)の克服を目指して米国で始まった社会老年学の最大の成果のひとつは、高齢者の多様性の発見でした。老いが誰にでも等しく訪れるということの尊さと、そのプロセスが極めて個別多様であること、この両義性についての認識なしに「人生100年時代」に正しく向き合うことはできません。老いがもたらすダイバーシティを担保しつつ、高齢期に誰もが抱える経済的・社会的・肉体的・心理的課題に社会全体としてどう向き合うか。それは社会的公正ないし社会正義の問題であり、倫理哲学の問いであり、もちろん経済的かつ政治的な課題でもあります。私は老いゆく個人の生という視点に立脚して、それを考え続けています。

 

実績と今後の活動予定

・2014年~2018年 北海道福祉サービス運営適正化委員会苦情解決委員
・2016年~2018年 江別市介護保険事業計画策定等委員会 委員長
・2019年~現在 江別市生涯活躍のまち整備事業地域再生協議会委員

地域や産業界、自治体に向けて

シニアの就労、生涯学習、介護予防、フレイリティ、認知症、在宅ケア、孤独死―――老いにまつわるさまざまな今日的課題を、常に変化する「プロセス」として見つめるとともに個と個あるいは個と社会との「関係」という視点で捉える(=すなわち、「自分事」として考える)ための学びを、さまざまな人(介護福祉職、一般市民、学生など老若男女)に対し、さまざまな場(学内外での講義、実務者研修、市民講座、町内会自治会等)で実践しています。研究室や教室以外での人との出会いは、私にとっても大切な気づきの機会です。
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