当事者が主体となる「学び」の場づくり

教育・支援における「書道」の可能性

河合   直樹 講師
Kawai   Naoki
博士 (人間・環境学)
人文学部 人間科学科

よく「人生は日々勉強」といいます。私たちは、絶えず「学び」の文脈のなかにいるのです。とはいえ、すべての「学び」が望ましいものとは限りません。特に、学校教育や社会的支援のような制度化された環境では、与え手の想定していなかったネガティブな「学び」が、皮肉にも受け手に学習されてしまう場合があります。制度化された「学び」に内在する問題点とその対応策を、現場との協働(当事者とのコラボレーション)をとおして心理学的に研究しています。

キーワード
  • 心理学
  • 主体性
  • 書道
  • 震災復興支援
  • 数学教育
  • 組織開発

シーズ(研究)紹介

当事者の主体性を重視した社会的支援(例:震災被災者を対象とした書道教室)

 

実績と今後の活動予定

【実績1】学校教育における「学び」の研究
高校数学の教科書をテーマに、関係者へのインタビューによって現行教科書の使用の現状を明らかにしたうえで教科書を分析し、生徒が「学び」の主体となる新しい数学教科書構想を提案しました。
【実績2】社会的支援における「学び」の研究
東日本大震災被災地において「講師として書道教室を開く」というボランティア活動を継続し、被災者が主体となる場づくりの意義を研究しました。
【現在】教育と支援の混在する「学び」の研究
札幌市内の障がい者自立支援施設において書道教室を毎月開催し、障がいとともに生きる若者の「学び」に書道がどのように貢献するかを研究しています。

地域や産業界、自治体に向けて

「受け身の姿勢」を当事者にもたらす強大な文脈と対峙すると、思わず正面から反発したくなるかもしれません。しかし、当事者の視点に立つならば、当事者をその単一の文脈のみに回収するのではなく、当事者の生きうる多様な可能性を確保することが重要です。書道は、当事者の主体性を回復するコミュニティを生み出す格好の媒体となりえます。近年は、非日本語話者への書道ワークショップを開催するほか、組織開発(組織の活性化)としての書道の意義を探求するなど、多角的なアプローチを行っています。現場とのコラボレーションを何より大切にするのが私の研究スタンスです。どうぞお気軽にお問い合わせください。