学生の心を癒すセラピードッグ

セラピードッグとふれ合い、こころとこころをつなぐ世界の輪

卜部   洋子 専門職員
URABE   Yoko
修士 (臨床心理)

 医療機関と小、中、高校のスクールカウンセラーの経験を生かし、現在、本学学生相談室で専任カウンセラーとして働いています。
 家族の一員として一緒に過ごし愛犬が旅立ち、悲しみや寂しさが癒えずにいたところ、盲導犬になれなかったキャリアチェンジ犬を引きとりました。それが、セラピードッグのエースとの出会いです。エースは北海道ボランティアドッグの会に所属しており、本学の他に、福祉、医療、教育機関等でボランティア活動しています。さまざまのことでストレスを抱える学生が多い中、月に1回、セラピードッグとふれ合うことで学生相談室を身近に感じてもらい、安心できる機会を提供しています。

キーワード
  • セラピードッグ
  • アニマルセラピー
  • カウンセラー
  • 学生相談室
  • 札幌学院大学

シーズ(研究)紹介

 学生相談室利用について、増えてきているものの、学業や対人関係で悩み、誰にも相談できずに、長期欠席している学生が少なくないです。そこで、学生相談室をもっと利用しやすいように、ユニークな取り組みとして、セラピードックとふれ合う機会を考えました。学生相談室で「セラピードッグ」の導入は国内で初めての試みで、多くの学生がふれ合い、癒しの場になっています。セラピードッグは北海道盲導犬協会の出身で盲導犬のトレーニングを受けていました。しかし、盲導犬としては不適合となり、キャリアチェンジ犬として筆者が引き取りました。その後、北海道ボランティドッグ会の「セラピードッグ認定試験」に合格し、本学の他に、医療、福祉、教育機関等でボランティア活動を行っています。

 セラピードッグ(アニマルセラピー)とは、患者の治療に動物が参加することで、心と体のみならず社会的機能を回復させようという試みのことです。国際的には「Animal Assisted Therapy」(動物介在療法= 以下AAT)とも呼ばれて医療行為の一種としてもみなされています。徐々にAATが医療や福祉機関に浸透し、生理的効果、心理的効果及び社会的効果が実証されるようになり心理療法の補助的な役割として紹介されるようになってきました。

 本学でセラピードッグが人にもたらす健康効果としてアンケート調査を行った結果、「生理学的効果」については、リラックス効果、「心理学的効果」については、不安感の低減、「社会学的効果」については、人間関係を円滑にする効果がありました。

実績と今後の活動予定

 今後も本学の「セラピードッグ」のふれ合いは開催していく予定です。昨今、コミュニケーションの苦手な学生多く、集団生活に馴染めず、長期欠席から休退学する学生も少なくないです。本学では、セラピードッグをきっかけに、休退学の歯止めになったケースがいくつかあります。また、多くの留学生も癒され、憩いの場となっており、学生相談室の利用も増えてきました。更に、休退学する学生を減らすこと、多くの留学生にも触れる機会をつくりたいと思います。

地域や産業界、自治体に向けて

 本学の大学祭に北海道ボランティアドッグの会の多くのセラピードッグとボランティアに協力して頂いています。その際、本学の学生ボランティアも参加し「セラピードッグ」のふれ合いを紹介し、地域と交流しながら社会貢献の場にもなっています。
 世の中が複雑になり、老若男女の多くが悩みを抱えています。中には自分では対処しきれないほどのストレスを抱えている人もいると思います。そんな時、セラピードッグとふれ合い、伝わってくる温かさや癒しを感じて頂ければと思います。
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